暮らしと私と音楽と。
ルーツ・ミュージックでつながる生活情報マガジン“フロポ”
フロントポーチを始めるにあたっての思いを書きました。記事・情報の投稿、ご提案、広告などのご相談もコチラからご覧下さい。
フロントポーチへの思い
Life is Blues. 暮らす、聴く、歌う。
ライヴでつながる。ライブでつなげる。
・・・・・少し長くなります
◆なぜ、フロントポーチ?
海外の家でよく見かける「フロントポーチ」は人と時間の交差点。
このメディアも、そんな場所であってほしいと願います。
椅子に揺られ、一人で空や風を感じゆっくり過ごす場所。
隣近所の人たちが集まり、たわいもないおしゃべりで過ごす場所。
誰かがギターをかかえ歌い出せば
歌はフロントポーチから街へと流れ出します。
昔にまどろみ、明日を想い、
歓びをわかちあい、哀しみを噛みしめる。
『 高田渡トリビュート』のジャケットを眺めていて、
あぁ、渡さんのいた吉祥寺の「いせや」も、
もしかしたらフロントポーチなのかなと思いました。
◆アンノウンの奏でる音楽 暮らしの音楽
ブルースを聞き始めた頃、アーティスト名の「Unknown」という記述に
少なからず驚きを覚えました。
アルバムによっては何人もの、アンノウンさんがいる。
素晴らしい演奏なのに、名前さえ、わからないのです。
でもこうして録音が残っていればまだラッキーな方で
今のように簡単に作品を残せる時代ではありませんでした。
レコードに名前を残せなかった、数え切れない人たちがいたのでしょう。
音楽の歴史を川の流れとするならば
今眺めている水は、それらすべての人たちが奏でた音の集まりです。
それは、もしかすると現在も同じかもしれません。
耳にするアルバム、観ているYou Tubeもまた
溢れる音楽のごく一部だと言うことを
私はいつも忘れないでいたいと思っています。
そして、できれば一人ひとりにとっての
“一部”を少しでも広げるお手伝いができればうれしいです。
何より、自分がライブに足を運びたいから。
心に響く 音楽を聴きたいから。
棚に並んだレコードやCDの数、今まで観たライブの数は関係ありません。
楽器を持って演奏する、しないも関係ない。
音楽は誰にも平等です。
家庭や仕事で追われる中で、いつかライブに行きたい、
またギターを弾いてみたい、そんな人がいいなと感じ
毎日暮らしてゆく中で、大切にしたい音楽を紹介していきたいと思います。
◆今このときのルーツ・ミュージック
その中でとりあげるのは、根っこを大切にした音楽。
咲いた花や、なっている実には、根っこもあれば幹もある、
ルーツ・ミュージックとは、単に過去の古き良き音楽ではありません。
ベテランも若手も、世代も関係なく
歴史の上に自分が生きていることを確かめる、今このときの音楽です。
もちろん私自身はブルースやソウル、アメリカン・ミュージックが大好きです。
でも、フォーマットとしてのブルースではなく、
ここはブルースを感じさせる音楽としたい。
先ごろ亡くなったB.B.キングは言いました。「Life is Blues」だと。
どきどき、ざわざわ、べたべた、じとじと、
歓びも、いかがわしさも、邪悪さも、
表も裏もすべてを包み込
今を生きる愛にあふれた歌とともに歩いて行きたいと思います。
2015年6月 フロントポーチ編集部
妹尾みえ