今年も街がライブハウスになる! SHOWなんだいDEショー! Vol.4 (前編)
SHOWなんだいDEショー! Vol.4 ◆日 時 5月28日(土) 12:00~21:00
◆会 場
[湘南台駅東口]
文華堂東口店(無料)、中華料理三番、家庭料理じゅんちゃん、湘南和食堂NAGOMI、
◆出演者 多数(公式サイトをご覧ください。当日スケジュールを配布します) ◆料 金 \2,000(各会場共通1日周遊券)
※チケット予約はウェブサイトまたは中華三番まで
※当日は文華堂東口店、中華三番にて販売します ※オリジナルTシャツ、手ぬぐいも予約受付中!
◆アクセス 小田急江ノ島線・相鉄いずみ野線・横浜市営地下鉄ブルーライン「湘南台」駅下車
◆問い合わせ tel.0466-45-3777(実行委員会・中華三番) shownandaideshow@yahoo.co.jp (湘南台音楽祭実行委員会)
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誰が呼んだか。中華三番は「ブルースの聖地」
カウンターの椅子はすべてカホン。
見上げれば所狭しとアルバム・ジャケットが並ぶ。
町の小さなラーメン屋さんが“ブルースの聖地”などと噂されるようになったのは、
いつからだっただろうか。
ほぼ毎週のように、誰かが歌っている。
ジュウジュウとギョウザを焼く音、ラーメンをすする音と
ゴキゲンな音楽がブレンドされて湯気のように熱くたちのぼる。
「出演したいっていう連絡がよく来るけど、うちはラーメン屋なのよ~」
神奈川県藤沢市湘南台にある「中華三番」のおかみ、“ひーちゃん”こと牧野ひとみさんは笑う。
そのひーちゃんを実行委員長として開催する「SHOWなんだいDEショー」は、今年で4回目。
「湘南台がライブハウスに」を合言葉に、街のイベントとしてすっかり定着してきた。
湘南台駅周辺の11か所に、出演者も50組以上。ライブの現場を愛し、何より三番を愛する面々ばかりだ。昨年の来場者数はおよそ500人。お客さんも、北から南から、この日のために集まるのだ。
■実行委員長 牧野ひとみさんにインタビュー
ラーメンを作り終えた、ひーちゃんにお話を伺う。
店内には誰の歌声だったか、パソコンからブルースが流れている。
中華三番に集まったスタッフと。中央が牧野ひとみさん
おなじみのアーティストをあえてはずす楽しみ
――会場は駅の東西に分かれ11か所もありますが、オススメの回り方は?
「いつも観ている人をはずして、前から気になっていたアーティストを観たらいいんじゃないかな。時間のあいたアーティストが遊びに来て、意外なセッションが始まることもあるし、それも楽しみですよ」
――今年は出演者もさらにバラエティに富んでいます。
「パンクのTHE TACHOMETERSも出てくれます。他にも、よしだよしこさん、永井ホトケ隆さん、大石みつのんくん、シンガーソングノコギリストのカポウ他にも初めて出演してくれる人も多くて、当日は忙しいけど私も見たい!(笑)。
音楽だけじゃなく、三番にも出演している入船亭扇里師匠の落語も聞けます。駅前の本屋さん文華堂では、作者のきたがわめぐみさん、主題歌を歌う“りぶさん”による絵本の読み聞かせもありますよ」
――ユニークな顔ぶれが、しっかりイベントのカラーになっていますね。
「AMI☆TAMEさんはじめ、最初からずっと出演してくれている人たちもいるよね。それと出演者をまとめてくれているという意味で、やっぱりMooneyさんの存在が大きいね」
――今年のフライヤーに使われているイラストは昨年の様子だそうですね。
「地元に住むクマイキレこと石ヶ森由行さんが、その場で描いてくれたものです。ロゴデザインは漫画家のビッグ錠さん。私がデザインを勉強していたこともあって、アートは大事にしたいテーマの一つです」
きっかけは東日本大震災
――第1回目は2013年3月。そもそものきっかけは東日本大震災だったとか。
「何かできることはないかとビッグ錠さんや、(現在も会場である)『ArsNova』の人たちと話したのが始まり。それで、私はアーティストを集めることならできるからやってみると。
最初の年は今より少なかったけど、それでも大勢協力してくれて。ライブ・ペインティングもやりました。
街を元気にというところから、湘南台のマスコットキャラクターを意識して、<ゆめまる音楽祭>って名前にしようと思ったこともあったねえ(笑)」
――それから毎年チャリティーをうたっているんですね。
「最初の年は陸前高田に翌年は南相馬、昨年は藤沢市の障害者支援団体にお渡ししました。継続した支援という意味でも、チャリティーは続けていこうと思ってます。今年は福島の子どもたちを対象にした保養キャンプを行う『湘南わくわくピクニック』と、一部、藤沢市文化振興基金への募金をお願いします」
音楽とお酒がつないだ縁
――それにしても会場はすべて定食屋さんだったり、居酒屋さんだったり。理解を得るのが大変だったのでは?
「店が終わると飲みに行って、ここ!というお店にお願いしてきました。テレビでは見かけないかもしれないけど、こんなに素晴らしいアーティストだからぜひ! と。そこはお酒が飲めて音楽が好きでよかったなあと(笑)。 最初はホールを借りて開催するというプランもあったけど、会場でお酒が飲めないし、街の活性化にならないでしょう」
――ライヴバーとは違う場所ということで、アーティストも力量が問われますね。
「それはそうかもしれないね。今年は、昨年楽しかったから、ぜひあのアーティストを! というリクエストがお店から来るようになったんですよ。それは(定着しているという意味で)うれしいですね」